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クリニックコラム

2018.06.29
ART(高度生殖補助医療)で生まれた児のその後

こんにちは、培養室です。

 

時々患者様より「ARTで生まれた子どもは、自然妊娠で生まれた子どもと比べて異常の割合が増えるということはないのか?」といった質問を受けることがあります。現在、日本では出生児の約20人に1人がARTにより誕生しています。これほど広く行われている方法ではありますが、しかし実際に行うとなると、この技術が生まれてくる児に及ぼす影響について気になるのは当然のことだと思います。
今回はそんな質問に関する論文をご紹介したいと思います。

 

Mental health and developmental outcomes for children born after ART : a comparative prospective study on child gender and treatment type
Human Reproduction, Vol.31, No.1 pp.100-107, 2016

 

この論文は、フィンランドの研究グループが「ARTで生まれた児は自然妊娠で生まれた児と比べて7〜8歳の時点で心の健康に関する問題や、社会的発達(社会スキル及び友人関係)・認知的発達(知覚、記憶、言語など)に関する問題を示すことが多いかどうか」を調べ、結果を報告したものです。さらに彼らは、児の性別やARTの治療方法(体外受精か顕微授精)がこれらの発達に影響するかどうかについても調査しています。

結果

内面的・外面的症状及び社会的・認知的発達の問題について、両親からの報告を元にARTで生まれた児(255人)と自然妊娠で生まれた児(278人)を比較したところ、両者の間に違いは見られませんでした。しかし、性別に着目すると少し違いが見られました。自然妊娠で生まれた男児は、自然妊娠で生まれた女児と比べると社会的発達・認知的発達に関する問題を示すことが多いのに対し、ARTで生まれた児は性別による差が見られませんでした。また、ARTで生まれた児を治療方法別に比較してみても(体外受精164人 VS 顕微授精76人)、心の健康面や社会的発達面等に違いは見られませんでした。

 

今回ご紹介した論文はあくまで7〜8歳の時点で、しかも社会的発達などある特定の観点から自然妊娠で生まれた児とARTで生まれた児を比較した結果ではありますが、患者様のARTに対する不安解消の一助となれば幸いです。
ARTで生まれた児の経過については、今後も様々な角度から注意深く追っていく必要があります。
今後も目新しい情報があれば随時報告していきたいと思います。