2021年の体外受精児、過去最多
こんにちは、培養室です。
9月になり、朝方にかすかに秋の気配を感じるようになりました。
秋ということは、2年前の国内体外受精成績が出るということです。
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「なぜ2年前の成績が今頃出るのか?」については一昨年の記事で少し書きました。
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2021年の体外受精児、過去最多 治療のピークは39歳
(朝日新聞デジタル)
もう何年も治療件数は横ばいで、出生児数も大きくは変わりませんでした。
昨年発表された2020年の治療実績でも、概ね横ばいで変わらなかったものの、治療総数と出生児数が微減しました。
1986年に統計を取り始めて以降、初めてのことでした。これは当時日本を席巻していたコロナもその一因と考えられており、その反発もあって2021年の統計では増加が見込まれる……とされていました。
そして今年、蓋を開けてみると、治療件数、出生児数の両方が大きく増加しており、出生児数は7万人に迫る勢いです。
2019年 | 2020年 | 2021年 | ||
治療周期数 | 45万8101件 | 44万9900件 | 49万8140件 | ↑ |
ART出生児数 | 6万598人 | 6万381人 | 6万9797人 | ↑ |
総出生児数 | 86万5234人 | 84万832人 | 81万1622人 | ↓ |
体外受精で生まれた児の割合は11.6人に1人になり、もう1クラスに2,3人はいそうな数ですね。
「○○人に1人」というフレーズはキャッチーでよく使われますが、こと体外受精に関しては体外受精症例数の増減というよりも、総出生児数の減少が大きく寄与しています。
さて、2021年の当院を振り返ってみると、246人の出生報告をいただいておりました。
感染症対策として様々ご協力をいただくことも多く、激動の一年だったように思います。本当におめでとうございます。
これからも引き続き、最善の治療を目指して培養室一同努めてまいります。
※出産報告のお願い※
国内で行われた体外受精には報告義務が課せられています。
信頼できる不妊治療成績を提供するために、ご協力をよろしくお願いいたします。
名前など個人を特定できる情報は省いたうえで報告しておりますのでご安心ください。
また、情報の不足等で、改めてお手紙を差し上げることもございますが、あしからずご了承ください。