5日目で胚盤胞へ到達していない胚を比べてみると?
朝晩の冷え込みが厳しくなりました、体調管理はいかがでしょうか。
今回は発育が遅延している胚が妊娠する確率や胚盤胞に到達したかなどを比較した論文を紹介したいと思います。この論文では、5日目に胚盤胞へ到達していない桑実期胚を2つの群に分けています。一つは一般的に知られている桑実期胚(下図左)でもう一つは少しだけ腔が形成されつつある桑実期胚(以下腔あり桑実期胚:下図右)です。
結果はその後の6日目胚盤胞到達率において腔あり桑実期胚が一般的な桑実期と比較して有意に高い確率で胚盤胞に到達する結果となりました。
それぞれの桑実期胚を5日目に移植したところ妊娠率に違いはありませんでした(下グラフ左)。そして、胚盤胞に至った胚を移植した際の成績を比較したところこちらも妊娠率に違いはありませんでした(下グラフ右)。
5日目の腔あり桑実期胚と6日目の胚盤胞の妊娠率を比較したところやはり胚盤胞の妊娠率が高い結果となりました。発育はゆっくりかもしれませんが、胚盤胞に到達する胚は妊娠が期待できるようです。
参考文献
Jigal Haas, M.D(2019) “Developmental potential of slow-developing embryos: day-5 morulae compared with day-5 cavitating morulae” Fertil Steril, 2019 Jan;111(1):105-111