凍結保存胚から出生、保存期間の記録更新
こんにちは、培養室です。ご無沙汰しております。
毎日信じられないぐらい暑いですね。皆さんも、どうか無理のないようにお過ごしください。
今日は、長期間凍結保存されていたたまご(受精卵)からお子さんが生まれたニュースを紹介します。
「まるでSF映画」 31年間凍結されていた受精卵で赤ちゃん誕生、世界最長記録(▶元の記事はこちらから)
今年7月の末に、1994年から凍結保存されていた胚から無事にお子さんが生まれたそうです。
保存期間は30年余り※にも及び、超長期的な保存にも耐えうるたまごの強さには驚かされます。
理論上、たまごの凍結期間には限りがないとされています。これはあくまで一例ではあるのですが、実際に保存期間の記録が伸びていくのには、ある種の心強さを感じます。
(※注 日本語記事のタイトルでは31年間となっていますが、大元の記事では30歳のたまご、という表現になっています。
原題:‘Like a sci-fi movie’: US baby born from 30-year-old frozen embryo breaks record)
同様のニュースは過去にも紹介したことがあり、25年間凍結保存(1992~2017)した例(▶該当のコラムはこちら)や、近年では30年間凍結保存(1992~2022)した受精卵からの出産報告もありました。今回のニュースの例は、前述のものより数か月凍結期間が長いものだったのだと思われます。
また、これらの例は、受精卵の提供によって実現したことであり、遺伝上のご両親と、生み育てるご両親は別の方になります。アメリカではドナー卵/ドナー精子(卵子・精子提供)のイメージが強くありましたが、今回のような受精卵の提供もあるようです。日本とは異なる事情を持つアメリカならではのお話ですね。
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