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クリニックコラム

2021.05.02
「なぜ媒精の方法を分けて行うのですか?」

こんにちは、培養室です。

昨日はなかなか強烈な風が吹いていましたが、大丈夫でしたか? 思いのほか寒い日が続いたかと思えば、朝夕の寒暖差が激しい日が続いてみたりと過ごしにくい日が続きますね。

 

さて、今回は表題に類する質問について少しお話ししようと思います。

まず「媒精方法」とは受精を試みる方法のことで、当院では顕微授精(ICSI)や体外受精(conventional-IVF /以下cIVFと表記します)をひっくるめて呼んでいます。また、一回の採卵で複数のたまごが取れた場合に、どちらか一方ではなく、両方の方法で受精を試みることを「split」と呼びます。つまり、「媒精の方法を分ける」というのは、「splitを行う」ということです。前提条件として、採卵で複数のたまごが採れていること、精製後の精子がcIVFできる状態であることが必要です。

 

当院の場合、採卵初回の方に関しては、基本的に「split」をご提案しています。

どちらの方法も行ってみたいというご希望や、顕微授精することによって発生するコストをある程度軽減させたいというご希望によって「split」を選択する場合もあります。

 

何故、採卵初回の方に「split」をオススメするかというと、完全受精障害のリスクを回避するためです。

体外受精するのに問題ない所見であるにも関わらず「受精反応が見られない」状態のことを指します。精子は活発に動いていて、卵子の方も特筆するところはないのに、翌日の受精数はゼロ、と厳しい結果が出てくることがあります。そういう症例に行き当たると私たち培養士もかなりのショックを受けるのですが、患者さんご本人はもっとおつらいだろうと思います。

 

全体の1%ぐらいの割合で、完全受精障害に当たると言われています。

2回目、3回目以降の採卵であれば、ある程度の傾向が掴めているかもしれません。けれども、こと初回の採卵で、あなた完全受精障害になります、と予測することはできません。また、受精しない理由は色々と考えられますが、「精子が卵子の内部に到達できていない」症例なら、顕微授精を行うことで受精するかもしれません。

 

このように完全受精障害のリスクを回避するために「split」をご提案しています。

反面、デメリットもあります。採卵の個数がある程度ないと「split」ができなかったり、効果のほどが分かりにくいことなどが挙げられます。また、基本的には顕微授精とcIVFでは顕微授精の方が受精率が高く出るものですが、人によっては顕微授精の方が悪い成績になってしまい、「split」をした甲斐がなかった、という場合もあります。

 

「全体の1%ぐらい」が多いのか、少ないのか、ご夫婦でそれぞれご意見があるかと思います。

私たちの方からご提案してはいますが、そうしろ、というものではありません。「全部cIVFで構わない」ですとか、「顕微授精をちょっとだけしたい」ですとか、ご夫婦の忌憚ないご意見を聞かせていただきたいと思っています。「顕微授精するにしたって何個するか」というのもまた悩ましい問題ですので、媒精方法については、よくよくお話しいただいて、採卵に臨んでいただければと思っています。