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クリニックコラム

2020.03.11
PGT-Aとはどのような検査?

こんにちは、中村嘉宏です。

早速ですが、前回の続きの話を進めて行きましょう!

 

PGT-Aとはどのような検査?

Q1. どうやって行われるの?

PGT-Aでは、検査を行うために細胞の一部を採取します※1。採取は胚盤胞という状態まで発育した受精卵に行います。そのため、まず受精卵を胚盤胞まで発育させる必要があります※2。PGT-Aを受けたいと思っても、胚盤胞まで発育する受精卵がなければ、PGT-Aは実施できません。

※1 この操作を「生検(:生体検査の略)」といいます。バイオプシー とも呼ばれています。

      組織を詳しく調べるために、細胞の一部を採取することを指します。

※2 以前は初期胚で生検を行なっていましたが、現在でほとんど行われていません。

 

胚盤胞には、透明帯という膜の中に内部細胞塊(赤ちゃんになる細胞)栄養膜外胚葉(胎盤になる細胞)という細胞が含まれています。

胚自身の内圧やレーザーなどの外的要因によって透明帯が破れると、細胞が突出し、やがて胚全体が透明帯から脱出します。PGT-Aの生検を行う場合には、内部細胞塊から離れた部分の透明帯をレーザーで切開して突出させ、その部分(上図で栄養外胚葉を示す矢印が指している辺り)からピペットに吸い上げて、細胞を5個ほど採取します。

 

採取した細胞は、日本産科婦人科学会で承認を受けた検査施設に送られます。

検査施設では細胞からDNAを抽出、全ゲノム増幅を行います。その後、次世代シークエンサーという機械で染色体数を検査していきます。

 

Q2. 検査はどのような形で返ってくるの?

検査結果は、図のような形で表記されます。

 

まずは正常な例。

基準となる中心の線に沿って点が並んでいます。この点はそれぞれDNA量が点描されているのです。

 

一方、異常であれば、次の図のような形になります。

図の例では4番目の染色体が1本足りない状態です。この状態をモノソミーといいます。

染色体が1本多い場合はトリソミーと呼ばれ、下図のような状態(イメージ図)です。

サンプルの図では5番目の染色体が1本多い状態ですね。

これらの2例は明確な染色体数の異常として考えることができます。

 

さて、検査結果はYes-Noでキッパリ評価できるものばかりではありません。

PGT-Aを取り扱う上で、最も悩ましいのが正常と異常が混じり合う「モザイク胚」の存在です。

 

これがPGT-A最大の問題点だと私は考えています。採取した細胞のうち、いくつかは正常で、いくつかが異常であった場合に起こるものです。一口にモザイクと言っても、その状態は多岐に渡り、移植の可否を個々の状況に合わせて判断する必要があります。

更には、染色体数を調べているのはあくまでも「胎盤になる細胞」であって「赤ちゃんになる細胞」ではありません。結局のところ、胎盤になる細胞のうち一部分を調べているにすぎないので、PGT-Aで異常と判定されても、赤ちゃんになる部分の細胞は正常である可能性もあります。

 

キリが良いので今週はこの辺りでおしまいにしましょう。

次回はこのモザイクの問題についてお話します。