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クリニックコラム

2020.04.25
タイムラプスインキュベータで胚盤胞へ到達したPGT-A胚の発育過程を見てみると…③

こんにちは、培養室です。

4月も最後の週だというのに寒い! コロナ対策としてあちこち窓を開けていますので、うっかり風邪を引かないように気をつけたいと思います。

さて、今日のコラムも前回からの続きです。

 

次のグラフは、PGT-Aを実施した胚盤胞はタイムラプスインキュベータで培養する過程でどのような過程を経たかを見ています。正常な細胞分裂は1細胞→2細胞→4細胞へと分裂を繰り返しますが、1細胞→3細胞以上に分裂することがあります。1細胞から3細胞以上に分裂することをdirect cleavageと呼んでいます。このdirect cleavageが見られた胚盤胞と見られなかった胚盤胞を比較してみるとdirect cleavageを起こしていない胚盤胞がdirect cleavageを起こしている胚盤胞より正常率が高い結果となりました。有意な差ではありませんが、タイムラプスインキュベータで観察することで判明するので一つの指標になるのではないかと考えられます。

 

 

次のグラフは過去のコラムで紹介したことがありますが、2細胞期に複数の核が確認されたについてです。2細胞期に複数の核が確認された胚盤胞は、確認されなかった胚盤胞と比較して正常率が有意に低い結果となりました。過去のコラムで紹介した論文にもあるように2細胞期の多核は移植胚の決定、PGT-Aの結果を予測するにあたり一つの指標になると考えられます。タイムラプスインキュベータで観察すれば確認することができるのでより積極的に観察していく必要があるかもしれません。

 

 

 

最後のグラフは患者さんが正常な胚を得ることができた確率を示しています。年齢で比較してところ40歳以上であっても40歳未満と同様の確率で正常な胚盤胞を得ることができる可能性があります。個数に違いはあるので多くの正常胚を得ることはできないかしれませんが、PGT-Aの実施する意味はあると考えられます。

 

3回に渡って色々なグラフを見ていただきました。タイムラプスとPGT-Aのコラムは今回でおしまいです。不妊治療は時間との闘いでどうすれば出産に至ることができるか常に考えなければなりません。今回、PGT-Aを実施した胚の発育過程を追うことで様々なことが分かりました。少ない時間、多くない胚を出産へ繋げるために努力していきたいと思います。